続・政略結婚は純愛のように
「…山辺が言うには、本当のところノリス側から通達がある少し前に社長は秘密裏に一課に代替店舗の選別を指示していたらしい。ノリス側にきな臭い何かがあることを察知してだんだろうな。…まったくあの人には敵わない。妙に鼻が効くんだ。野生のカンじゃないけれど。それに企画課は何回か助けられている。」

「…葉山社長はどうなるんでしょうか。」

由梨は黒瀬に尋ねた。

「…取り調べに素直に、応じているとあるから、執行猶予はつくかもしれない。それでもノリスの社長は降りなきゃならないし…それに、そもそもノリスは葉山社長ありきの会社だからな。一からやり直しだろう。」

 ネットニュースには、マリアのこれまでの経歴が詳しく上がっている。
 父親はマリアが生まれてすぐにイタリアへ帰って母親と二人だけだった幼少期、顔立ちのせいでいじめられていたこともあるという。
 自分を馬鹿にしたやつをいつか見返してやると周囲に言っていたとの証言もある。
 これまでは知られていなかったマリアの過去を知って由梨は昨日自分が隆之に言った言葉を思い出していた。

"皆大なり小なり何かを抱えているんだわ"

美しさと強さを兼ね備え、隆之の側に立つのに誰よりもふさわしく見えたマリアでも人に言えないような葛藤抱えていたのかもしれない。
 警察の車に乗るときのマリアは顔を隠すことなく堂々としていた。
 あの綺麗な明るい色の髪をなびかせて真っ直ぐにカメラを見ていた。
 いつかまた頂点に立つ彼女を見たい、由梨はそう思った。
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