君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう

絶望




「優人!今日も凜ちゃんのとこ行く?」

「うん。・・・あ、進路資料室寄ってから行く」

「おっけー!妃菜呼んでくる!」



教室に響き渡る昂生の声。


無造作にプリントをカバンに突っ込んで窓の外に視線を逸らせば、澄み切ったウォーターブルーの空を泳ぐ鳥の大群が見えた。


俺の嫌いな冬が来た。



入退院を繰り返していた凜は、病院から出られなくなった。


特別調子が悪いわけでもなさそうだけど、"いつ何が起きてもおかしくないように" 。


そんな中でも、凜は卒業に向けて毎日病院で大量の課題をこなしている。

俺たちが学校に行き、授業で習う分の課題を。


時々、"先生に外出許可をもらった" って報告が来て、その度に俺たちは凜と外に赴く。


そうじゃない日も、放課後は病院に通い、凜に会いにいくのが日課となった。

俺は同時に、進路資料室に行くことも増えて。


遅すぎるながらも、自分の将来のことを少しずつ考えるようになった。



本当に今の志望校で良いのか、他に何かないのか・・・

俺は未だに自分の道を探す段階に居る。

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