君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


家に戻ったあと、俺は父親に貰った医大のパンフレットを引き出しにしまった。


俺の夢は、これじゃない。

わかって、父さん。俺は医者にはならない。



大切なものを失いかけて、大切なものに改めて触れることで、俺は自分の進むべき道を失わずに済んだ。


今なら、あの父親が相手でも・・・母親を前にしても、自分の未来は自分のものであると、自信を持って言えるだろう。


他人からの言葉を真に受けて、大事な人達から離れていってる場合ではなかった。


凜は俺と居て、俺の隣で笑ってくれる。


笑顔で俺の名前を呼んでくれる。


・・・それが答えだったから。



《 明日は来いよ!家の前で待機するから! 》


《 優くんおやすみ。また明日 》



俺を待ってくれている人がいる。


友人がいる。



自分の中での過ちを・・・行いを反省しながら、明日に備えて布団に潜った。



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