君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう


ねぇ、妃菜。


素敵な看護師さんになるんだよ。


素敵な大人になるんだよ。



一緒に生まれたわたしたちは、生まれた時から一緒に死ぬことを許されていなかった。



昔からぬいぐるみや絵本が好きなわたしに対して、妃菜は何故かルービックキューブが好きだったよね。


仕組みもよく分かっていないのに、ずっとそれを持ち歩いて、ガチャガチャいじって・・・


一体いつ飽きたのか、気付いたら持っていなかったけど。



わたしが手術怖いって泣いてたら、妃菜も一緒に泣いてたね。



"凜、死んじゃやだ・・・" って、わたしと一緒に涙を流していた妃菜は、いつの間にか励ます側になっていて


"絶対死なないから、大丈夫" って、手術室まで笑顔で見送ってくれるようになった。



わたしはいつも、妃菜の強さに守られてた。


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