君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう

こころのこえ




「いい?何かあったら救急車呼ぶんだよ?絶対だよ!?」

「分かった。てか何回目それ」

「何回も言いたいよ!いや、本当にごめん・・・不甲斐ないというか情けないというか・・・」

「そんな思わなくて良いって(笑) 気にしないで行って来な」

「うん。・・・お願いね」

「ん。頑張って」



凜の病院に行った日からおよそ二週間、俺は凜と妃菜の家に来ている。

10月の初め。

俺に向かって何度も何度も同じ言葉を繰り返しながら、落ち込んだり意気込んだりしている妃菜は、見慣れないきちんとした制服姿でそわそわしてる。


今日は妃菜の受験日だから。



「行ってきます!凜をよろしく!」

「最後までそれね。行ってらっしゃい」


・・・そして、凜は昨日から熱を出して寝込んでる、らしい。

いや、そんなに大袈裟な状態では無いし、まだ微熱で済んでいるらしいが・・・妃菜に言わせればそう。

そして代わりに俺が呼ばれ、今日一日凜の面倒を見なければならない。


ちなみに大事な受験日だっていうのに休もうとした妃菜に凜がブチ切れ、渋々代理を呼ぶことになって俺が呼ばれたというエピソード付き。


・・・妃菜にブチ切れる凜を見たかった。

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