幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「そうだったのね……。ごめんね、辛い思いさせて」

お母さんは私の肩を抱き、泣いた。

私も悲しさが溢れだしてつられて泣いた。

心配ばっかりかけてごめんね。

私のために泣いてくれてありがとう、お母さん。

「二人とも座りなさい。りりには話さないといけないことがある」

お父さんは私たちに言った。

深刻な表情だったため、少し不安になった。

私とお母さんはリビングのソファーに座った。

「ここからは入井家にバトンタッチだ」

「そうだな。僕から話さないといけないな」

玲音のお父さんは重い口を開いて話し始めた。
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