かすみ草の花束を。


「小枝、あのね…流川先輩から、夏休み一緒に遊ぼうって誘われたの」

「えっ! ほんと!?」

2人でって、もうそれデートじゃない…!?

美羽と流川先輩、ついに付き合うかも!

ふふっ、そうなったら幸せな2人を見れるの嬉しいなあ~~!

美羽の爆弾発言によって私の頭は興奮状態になる。
ニヤける口元を両手で隠した。

「小枝と黒崎先輩もだよ?」

……………

「………へ…?」

「え…?」

「2人で遊ぶんじゃないの…?」

「……っ…、ち、ちがうよ…!」

あ、美羽の顔真っ赤になった。
あらら…かわいすぎてどうしよう。

「小枝と黒崎先輩と4人で遊ぼうって誘われたの!」

「そっか~…」

かわいいなあ美羽。
照れてる美羽はあんまり見れないから、貴重なんだよなあ……

「小枝、聞いてる!?
だから明日からのテスト頑張ろう…っ!
わからないとこ私でいいなら教えるし、いつでも言ってね!?」

そうだね……
私も黒崎先輩と出かけられるものなら出かけたい。
それが叶うのならすごく嬉しいし、早速先輩がお母さんとやりたかったことも叶えられるかもしれない。

「うん、ありがとう」

気づいたら黒崎先輩のことを考えてしまうけど、今一番やるべきこと、やらなければいけないことは……そう、勉強だ…!

「そうとなったら帰って勉強だ~っ! 美羽っ、また明日!」

私はそう言って美羽とお別れし、自分の家に入る。


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