嘘つきシンデレラ



二人が自分に無関心なことをいいことに




さとみは、社長を観察する。




さとみには見当もつかないけど。




全身ブランドなんだろうな




おしゃれなデザインの





アイボリーのスーツも





靴も、きっとイタリア製。




腕時計なんて…何だろう?




聞くの、こわいくらい。




 キラキラしている。





わからないけど。




きっと、すごく高価。




そして 全身からあふれるようなオーラ




ピリピリ




空気が




ピリピリしている。




普通の人はみんな、きっと委縮しちゃうよ。




社長の視界にも入っていないのに




さとみはもうすでに




威圧されている気がして。




緊張が増して、手のひらが汗ばむ。




さとみには、一生縁がないはずの人だったのに。




180cm超えの長身で、堂々した態度が実際の身長を 




より 大きくみせているようなひと。




154cmしかないさとみからしたら



ほんと 



こわいくらい 大きい。




日焼けしたような肌。




前髪は目にかかる程度の長さの、




センターパートでわけられていて





襟足は短めの




つややかな黒髪。




柔らかそうなスパイラルパーマがかかっている。




容姿は



一言で表すと、ほんと“整った顔立ち”。




目鼻立ちのバランスが良くて、




一つ一つが、カタチ良くて




それをまとめるシャープな顎が




社長の強さを、際立たせているみたいに感じる。




男の人なのに 




綺麗な人。




でも、その綺麗さが、




近寄りがたい雰囲気を、一層助長させている。




その中でも




一番目をひく切れ長の瞳。




りりしくて、何もかも



見透かしてしまいそうな瞳。



< 4 / 248 >

この作品をシェア

pagetop