あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
「あの…」

と言いかけた私の言葉に被せるように

「誰?さっきの馴れ馴れしいやつ」

その声はやはり怒っていた。
おもわず大翔から目を反らすと

「こまかすなよ?
下手に嘘ついたってすぐわかるんだからな。
愛美が俺に嘘つく時の癖はわかってるんだからな」

「うっ…」

昔からなぜか大翔には私が嘘をつくとすぐにバレた。

どんな癖があるのかわからないが大翔にはごまかしや嘘は通じないのだ。

「いっいいでしょ!誰だって!
大翔には関係ないでしょ!」

口を尖らせてムッとすると

「はぁ!?俺に隠し事するなんて愛美のくせに生意気だぞ」

と子供みたいな言葉が返ってくる。
睨みあう私たちの様子を伺っていた高木先生は大笑いしながらドカンと大翔の隣に腰かけた。
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