愛は惜しみなく与う③
するとすぐに携帯が鳴る

あたしの携帯


水瀬はポケットから取り出してニヤリと笑った


「泉くんからだよ?出るよ?」

「……うん」


怒るやろうな。ごめんな。


水瀬は先程よりも楽しそうに笑いながら、泉からの電話に出た


「烈火の総長さん?今いいところだけど、くる?場所教えようか?」


水瀬はふざけた声の調子でそう煽った。


「ちょっと!電話するだけやろ?ここに泉を呼ばんといて!」

水瀬から携帯を奪おうと手を伸ばすが、あたしの手は空を切り、水瀬は片手であたしのその手を掴んで笑う



「今からヤられるんじゃないんですかね?あんま抵抗ももうしてないし。あなた達がそのまま関東に帰って、何事もなかったかのように過ごしてくれるなら、ここで彼女に手は出しませんが」


嘘つき

手は出すやん。

でも帰ってくれるならいいや。この場所には、いて欲しくないから。


「君たちに扱える女では無いでしょう?この女のおかげで、こちらも色々と振り回されてるところでしてね。さっさと終わりにしたいんですよ」
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