愛は惜しみなく与う③
気にしてないわけちゃうねん
ずっと思ってた。
響と紗羅ちゃんのこと
でもあたしが言うと、響は余計気にすると思って、あんまりいえなかった
でも
やっぱり響は女の子が怖いんやと思う
ってかなんやろ。
紗羅ちゃんと合わへんのかな
「杏?何飲みたいの?」
「え?な、なんやろ」
てきとーに誘ったから別に喉が乾いていて、飲み物が欲しい訳ではなかった。
そんなあたしの様子に気づいた響
「優しいね、杏は。ごめんね?気を使わせて」
しゅんと下を向いてしまう。
ちょ、やめてやめて!そんな顔をさせたい訳じゃないから
響の肩を掴むと、その笑顔はすこし悲しかった
「やっぱり女は苦手みたいだ」
「うん、しょーがないよ」
「しょーがなくないよ?だって杏に俺は助けてもらったのに。何でこんなに引きずってるんだろうって」
違うよ…
あたしはただあの女を殴っただけで、根本的な女性恐怖症は、治してあげることはできひんから
「紗羅ちゃん怖い?」
ブンブンと横に首を振る
でもその手はキュッと握られている
遠慮がちに響の頭に触れる