黒と白の境界線〜心理学者の華麗な事件簿〜
「あの四人のせいで、兄の人生は一瞬にしてめちゃくちゃにされた!!あのラインが届いた時、復讐を誓ったんだ!!あの四人の人生をめちゃくちゃにしてやるって!!」

激しく怒りを表し、冬人は言う。京は「なるほど……」と呟いた。

「三人を殺し、駿河さんを警察に逮捕させることによって人生を奪うつもりだったのね。日本の法律では、二人以上殺せば状況によれば死刑になる可能性もある。あなたはそれを狙った」

「ああ、そうだ!!まあその望みは叶わなかったけどな」

狂ったように笑い続ける冬人を、京は哀れな目で見つめていた。その時、京の背後から末良刑事が姿を見せる。京が事前に呼んでいたのだ。

「気持ちはわかるが、君のしたことは立派な犯罪だ。殺人の容疑で君を逮捕する」

冬人は抵抗することなく両手を差し出す。その手に、末良刑事は手錠をかけた。末良刑事は申し訳ないと言うような目で京を見つめる。京は目をそらし、言った。
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