mariage~酒と肴、それから恋~《7》
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自宅最寄り駅のすぐ近く。
昔ながらの小さな中華料理店。

仕事帰りの独身女33歳。

いかにも働く女的な、きっちりスーツに、まとめ髪、トートバッグ肩にかけて、ヒールを鳴らす。

急げ急げ♪
お腹すいた~。

よし、今夜は行ける!って朝から楽しみにしてたもんね。

あー、疲れた。
寿退職する同僚の仕事引き継ぎ、半端ないわ。人員補充されないってどういうことよ?!
はーあ、羨ましぃ。こっちは何年も彼氏なんていないってのにさ。
あー、来週からドッと忙しくなるわ。

だから今夜は食べなきゃならん。

堂々お一人様で古びた赤いのれんをくぐる。

オシャレさの欠片もない店だけど、味は抜群♪
常連さん多くて、いつも混雑してる。

もちろん、あたくしも大人の女。
いい感じのダイニングでちょこちょこつまんで、グラス傾けるのも好きだけど。

ここは、疲れて元気がいる!ってときに来るお店。
休日前の仕事帰りで、翌日予定がなくて、店が開いてる時間に間に合うっていう条件を満たす必要があって、なかなか来れないけど。
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