mariage~酒と肴、それから恋~《7》
えー、そっち?
ていうか、食いついたな。飛行機好きなのかな?

「これ、いいでしょ?小さいのにかなり本格的な造りで」

自慢すると、加地くんは頷いた。
…飛行機、好きなんだな。って子どもか!

「これ、うちの会社の飛行機なんだけど、非売品なの。会社の販促品ってやつ」
製作にあたしも少しだけど携わった自信作なんだ♪

「…会社?」

「ええ、航空会社で働いてます。
あ、ちなみに、こう言うとすぐ聞かれるんで先言っとくと、CAじゃないですよ、会社員。営業でーす」
入社以来、ウン年、鍛え上げられた営業スマイルをして見せる。

「へぇ」
加地くんは気のない返事して、飛行機見続けてる。

おっと、あたしに興味ないってか、はは(笑)

「なごみちゃん、こう見えてバリキャリってやつなのよね~♪」
言いながら栄子さんが、加地くんの料理とあたしのチューハイを持ってきた。

「こう見えてって…」
別にバリキャリじゃないけど。

童顔で、仕事できなさそうに見られがちだから、ナメられない為に、堅くスーツ着てビシッとしてるつもりなんだけど。
< 8 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop