この恋に名前をつけるなら、


「あ、でもさっき言ってたさ
1番になれないって、何?」


カズが思い出したかのように
俺に聞いてきた。


「あー、タカはいい奴だから
マリアが本気で惚れちまうよ。

そうなれば俺の側にいてくれない」



「シン、本気でそう思ってる?

マリアはタカのこと好きでも
シンが困れば駆けつけてくれるよ?

何がそんなに不安なんだよ?」



分かってる。

俺だってそんなこと分かってるよ。



けど、なんでかタカのとこに
素直に行かせてやれないんだ。



「なぁ、シン。

マリアのことそんだけ大事な存在なら
あいつの幸せ願ってやれよ。


あいつを不幸にさせて
お前の側で飼い殺すなんて
お前の望んでることじゃないよな。

大丈夫だよ。」




カズに説教される日がくるなんて...


そうだよな、
もう手放してやらないとな。





なぁ、マリア



俺の我がままに振り回してごめん。


お前がタカの側で幸せに笑ってるなら


それだけで十分だと



そんなこと言えるような


優しくて強い奴になってみるよ、






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