続・カメレオン王子とひとりぼっちの小鳥ちゃん

◇◇◇

俺は最近、よく思うことがある。


 
人に言えなくて、
消したくなるような過去の出来事も、
琴梨と一緒になるためには、
必要だったんじゃないかって。



カメレオンとして、
人に合わせていろんな自分を演じていた学生時代。



素の自分を隠して、
王子キャラでいつもニコニコ笑っていることに、
限界を感じて苦しんでいたあの頃。



できることなら、
タイムマシーンに乗って、
あの時の自分に言ってやりたい。



『これも、運命の人に出会うための
 大事な時間だから』って。



でも、昔の俺に会いに行っちゃったら、
今が変わっちゃうかもしれないな。



今、俺の隣にいるはずの琴梨が、
別の男の隣で
微笑むことになるかもしれないな。



それはダメ! 絶対にダメ!



琴梨は、一生俺の隣にいて欲しい、
大事な人だから。



「礼音、早くいかなくていいのか?」



店長の裕章さんが、
美容院の掛け時計を見て俺に声を掛けてくれた。




「もうこんな時間じゃん。
 裕章さん、休憩行ってきます」



「おう。
 かわいい奥さんのこと考えて、
 道でスキップするなよ」



「わかってますって」


 
俺は美容院の休憩室に急ぎ、
琴梨とお揃いのヘアピンで、
前髪をくるりととめた。



そして、財布とスマホをポケットに入れ、
自転車のカギを握りしめた。



「今日も、天使みたいにかわいい琴梨を、
 こっそり見に行くか」



琴梨のことを考えるだけで、
勝手に顔がにやけてしまう。



俺は自転車にまたがり、
琴梨を好きになったあの図書館に急いだ。

                              END
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