金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「そっちの生活……どうかなっと思って。
俺が、菜乃や舞花のことを心配するのも…おかしいなって、よく分かってるんだけど、きっと舞花に菜乃は振り回されてるんだろうな…と思って。」

「(笑)大丈夫だよ。ママは昔っからそうだし…もう、慣れてるよ。」

「言いたい事は…ちゃんと言えよ。ママに、ちゃんと伝えろよ。」

「(笑)ママに毒を吐かれたら……ゴウちゃん、いつも慰めてくれたもんね。
ママに内緒でコンビニでアイス買ってくれたり、パチンコも行ったよね!
あっ、釣り堀とかも連れて行ってくれた。
ゴウちゃんは…いつも優しかった。」

「 ………菜乃…。」

「そうだ…私まだ言ってなかったよね。」

「 ん? 」

「ゴウちゃん……今まで ありがとう。」

「なんだよ……。」

「東京から、こんなに離れたら…すぐには会えなくなっちゃうなぁ…と思って。」

「………本当だな。菜乃には、本当に悪い事をしたな。
菜乃は…ひとつも悪くない。
だから…… 」

「 だから……?」

私はスマホを肩と耳で押さえつつ…ぷにょにょの金魚鉢にひと摘み…エサを落とす。

「傷つくなよ……。

菜乃花は、真っ直ぐ歩いて欲しい。」
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