卒業まで100日、…君を好きになった。



年越しの風物詩でもある歌番組を観ながら、夜食に年越しそばを食べていた。


天ぷらはやっぱりエビが好き。

イカもいいけど、ぷりっぷりのエビには敵わない。



「拓は今日、顔を見せない気か?」



隣りでお父さんがちょっと恐い声で言った。


明日はお店が休みだから、お父さんも珍しくのんびり起きて晩酌中。

お酒に強い方じゃないので、厳つい顔が赤く染まっている。


拓はと言うと、今日はまる一日部屋から出てきていない。

晩ごはんの時も自分の部屋にこもったままだった。



「追いこみの時期ですから。拓も必死なんですよ」

「だからってなあ。年越しくらいちゃんとやれ」

「でも塾が休みだと、不安になるみたいで……」



お母さんのフォローに、お父さんはますます顔をしかめた。
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