年上少女のことが好きな年下少年の恋物語

金曜日

金曜日・・・金曜日・・・そうだ今日は金曜日・・・





やっとゆずに会える日・・・・・・





会おうと思えば窓越しに会えたけど、会う勇気がやっぱりなかった。





昨日はオリテの振替休日で、ゆずは学校行ってなかったし。





俺、大丈夫かな・・・・・・普通に接せるかな・・・






「すずー!!起きな!!飯あるから食いなぁ!!」





母さんだ。。朝から声でけぇ。。





階段をのそのそ降りていくと、そこにはまだ春なのにTシャツ姿の父さんと、牛乳を注いでいる母さんがいた。





「ん、はよ」



と、眠そうな声で挨拶を言うと、




「おっはー鈴!!お前ももうそろそろ父さんとお揃いに・・・」




「半袖はまだはぇ」



と、冷たくツッコむと、子犬のような目でしょんぼりとする。




「おはよ。はい、甘々牛乳飲みな」




と、母さんから手渡された牛乳を、椅子に座って飲む。




うん。いつも通り。甘さ加減バッチリ。




この特性牛乳は、甘党の鈴のために母さんが作った品である。




と言っても、砂糖を溶かして牛乳に入れたものだが。





「・・・・・・うおあああ!!あめぇ!!この卵焼き甘ぇ!!」





と、父さんが叫んだ。




その卵焼きはどうやら俺のだったらしい。





「あーごめんごめん(笑)鈴のと交換して」





母さんはケラケラと笑っていた。





そんな母さんに「もう辞めてよォ」と、泣き目の父さんが嘆く。




父さんは、しょっぱい物とかが好きだ。




甘いものは一番苦手なものだ。





と、父さんが味噌汁をズズズと飲み始めると、





「ギャアアアア!!かれぇ!!次は辛ぇ!!」





父さんの唇は赤く腫れて、たらこ唇のようだ。






「ぎゃははっ!!ごめんよっ!!間違えちゃったっ」




笑いを堪えられない母さんを、父さんが「もうっ!!絶対わざとだろっ!?」と、泣き始めた父さんを、また母さんがツボる。





父さんはしょっぱい党。俺は甘党。そして母さんは辛党だ。






母さんはイタズラ好きっていうか、父さんをいじるのが大好きだ。





父さんと母さんは小学校からの幼馴染で、師弟関係みたいだったらしい。




主と従者??な感じ。





父さんは弱虫で、虫を見たら女子のように叫ぶが、母さんは強気で、虫なんか瞬殺だ。





父さんはそんなかっこいい母さんが好きらしい。





仲良し夫婦とその息子は今日も幸せだ。











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