一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
ほんの少しの優しさを見せたら、弱味につけ込まれて襲われそうになっているともいえるこの現状。

これまでの萌音だったら、叩いてでも蹴りをいれてでも抵抗して、海音をなじっていただろう。

だが、萌音は最早、自分の信じてきたものの指針がわからない状況に陥っていた。

わかっていることは、理屈に関係なく目の前の海音に惹かれていること

そして、初めからキスも抱擁も受け入れてしまっている事実だけだ。

「抱かれて1つになれば、運命の片割れだと証明できるの?」

「少なくとも俺はそう信じてるし、こんなに欲情するのも萌音だけだ」

萌音の返事を得るまで、それ以上は進まず理性で欲望を押さえ込もうとしている海音の姿が尊い。

゛男の人の堪え忍ぶ姿ってなんて萌えるんだろう゛

そう思う時点で、萌音はもう、海音に毒されていた。

「・・・私も海音さんが好きみたい。いいよ。来て」

萌音はクスリと笑うと覚悟を決めた。

海音と身体を繋ぐことに、不思議と嫌悪感も恐怖も感じない。

むしろ、つらそうなこの人を癒し、自分も癒されたいと感じている。

この気持ちこそが本物なのではないか?

と萌音は素直に受け入れた。

目を見開いた海音が、嬉しそうに破顔するのが暗闇でもわかった。

「萌音・・・大切にする。欲しいのは君だけだ・・・」

海音はその言葉を証明するかのように、丁寧に、優しく萌音を抱く・・・。

それは萌音にとっても、甘やかで心満たされるひとときであり、たとえ映画のように美しくはいかなくても、後悔の2文字はどこにも見当たらなかった。
< 104 / 187 >

この作品をシェア

pagetop