一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
日曜日の午後。

海音の捻挫は昔からの癖のようなもので、しっかりテーピングをすれば、夕方には支えなしで問題なく歩けるようになっていた。

明日は二人とも仕事だ。

さすがに着替えがないのは困るので、ちゃっかり萌音をもう一度堪能した海音は、夕食を食べてから意気揚々と自宅のマンションに帰っていった。

゛結婚するまでは貞淑に゛

なんてことまでは全く考えてはいなかったのだが、萌音はまさか自分がこんなに簡単に海音に身体を許すとは想定外だった。

しかし、自宅に招き入れた時点からオッケーを出しているようなもの。

初めてを捧げた後も、萌音は後悔はしていない。

切羽つまった様子の海音も、色気と欲望にまみれた海音もいとおしくてずっと抱き締めていたかった。

だが、この感情が本当に運命の片割れにだけに感じるものなのか?

萌音には確証は持てない。

むしろ、結ばれてしまってからが本番で、二人の絆が試されるのではないかと思い始めていた。

案外、冷静な自分に驚く。

決して、手負いのイケメン(限定)フェチだから流されたわけではないと、萌音は自分で証明していかなければならなくなった現状に苦笑しながら、海音の去った自宅マンションの残像を眺めていた。
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