一途な溺愛王子様
「あれ、そっちの人も同じクラスなの?」


そう言いながらひめと呼ばれたあの女子が俺に視線を向けている。

そもそもひめってなんだよ。すげーあだ名。絶対自分モテますって思ってるタイプの女子だ。

見た目も男子受けする顔立ちしてるし、こういう女子は大抵自分の外見を知っている。だからこそ甘ったるい話し方に、無駄に多いボディタッチや上目使い……。

一般的には可愛いんだろうけど、あーいうのに限って性格ブスだろ。


変にモテる事がわかってる分厄介だ。

自分が美人だとか可愛いとか、外見を知ってるから余計に自信満々で、男は簡単になびくと思ってやがる。


「ん? ああ、コイツ? コイツは2つ隣のクラス。一年の時同じクラスだったダチの神無月って言うんだ」


いちいちこっちに話題振んなよ。そして康介もわざわざ俺の紹介とかいらねーし。

そう思って、俺はこの女子をちらりと一瞥したあと、目を逸らした。


俺はこういう女子に付きまとわれやすいんだ。断っても断ってもしつこく付きまとってきたり、逆上しだしたり。

俺は外見で判断してくるような奴が一番嫌いだ。


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