死者の魂〜最期のメッセージ〜
福山美里が一歩近づく。藍はびくりと体を震わせ、後ずさった。以前までは、藍にとって福山美里の存在はありがたいものだった。しかし、今は恐怖しか感じない。

「そんなに怖がらなくていいんじゃない?」

花束を抱きしめる藍を、福山美里は呆れたように笑う。

「なぜ、美里さんが神奈川に?」

「仕事のためよ」

福山美里は服のポケットから名刺を取り出し、藍に手渡す。それはキャバクラの名刺だった。

「私、夜の女になるの。いい男を連れて来てね〜」

福山美里はそう言い、藍の目の前から立ち去る。藍はその様子を何も言わずに見つめた。

気がつけば、福山美里からもらった名刺を藍は力いっぱい握りしめていた。
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