たとえ君が・・・
「5日間でしたっけ?休み。」
「うん。」
多香子は1月5日から10日まで連休をとることになっていた。慶輔の実家へ挨拶へ行ったり、自分の実家に顔を出す予定だ。
「先輩がいないと緊張しますね。」
「どうして?」
「先輩はナースの中でもエースじゃないですか。」
「そんなことない。」
「でもちょうど同じタイミングで院長も休みですからね。さすがにスタッフは緊張しますよ。」
「大丈夫よ。先生方がいるし。その間総合病院の先生も応援に来てくれる予定でしょ?」
「そうですけど。・・・院長は何するんですかね?休み。そういえば、あんなにイケメンなのに彼女の気配全くないですよね?いつも寝ぐせ頭だし。」
多香子は吹き出しそうになるのをこらえる。
微笑む多香子の顔を見て後輩看護師はじっとその表情を見た。
「やっぱりいいですね。先輩の笑顔。」
「そう?」
少し照れながら多香子はカルテの整理を始めた。

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