たとえ君が・・・
「脱げない・・・」
と泣きべそをかきながら靴を脱ごうとしている多香子。

「できない・・・」
とコートが引っ掛かり変な格好になっている多香子。

「のど乾いた・・・」
と甘える多香子。

いつもは見られない多香子の表情や姿が見られることに渉はものすごくうれしさを感じていた。

「はいはい。」
多香子の靴を脱がせ、着替えを手伝い、水を飲ませ、メイクを落とし、一緒にお風呂にはいり、髪を乾かす。そして一緒に布団に入り眠りにつく。

多香子の世話をすることが、愛しさ倍増でうれしさを隠せない渉だった。
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