たとえ君が・・・
第二章~たとえ君が傷ついていても~
多香子は真っ暗な空の下、屋上に立っていた。

自分の手を見つめる。その手が自分のものじゃないように震えていた。

助けられなかった・・・。

足まで震えている・・・。

これは手術衣のまま屋上にいるからじゃない。

寒いからじゃない・・・。

「はぁ・・・はぁ・・・」
自分でも息が上がっていることがわかる。

また、救えなかった・・・。

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