愛は、つらぬく主義につき。 ~2
パイプオルガン調の音色と。バージンロードの両側に立ち、迎えてくれたみんなの拍手がチャペル内に鳴り響く。

最後尾の榊とユキちゃんに差し掛かると、車椅子じゃなかったのを『聞いてねぇ』って顔して榊が上から目線をくれた。あたしもだからね?

「男が上がったね、真」

ユキちゃんに褒められて鼻高なダンナさま。

「二人を見てたらやっぱり結婚式したくなっちゃうわぁ! ・・・って確か織江ちゃんと相澤君のときも同じこと言った気がするんだけどねっ」

由里子さんが陽気に笑うと、向かい側から相澤さんが淡々とツッコむ。

「そろそろ落ち着いて、いい加減に(みね)さんを安心させてやれ、ユリ」

「なんかそれも聞いた気がしたわね~」

「・・・一生その気ねーだろ」

ボソッと聞こえた冷めた声が藤さんのだってことは、言うまでもなく。

織江さんや紗江にはエールをもらい、家族が温かく見守ってくれてる中、神父さんの前に二人で並び立った。
< 222 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop