溺愛なんてされるものじゃありません
主任×私×急展開
そして月曜日、私は裕香を含めた庶務課女子達と給湯室で話をする。

「それで?蓮様とのデートはどうだったの?」

みんな裕香と主任のデートに興味津々だ。ニヤニヤしながら話を聞き出す。

「デートは凄く良かったんだけど、もう隣にいるだけで緊張しちゃって映画も頭に入らないし食事も喉を通らなかった。それにエスコートが上手くてシンデレラになった気分だったな。やっぱり御曹司の彼と私では次元が違うし、良い夢見させてもらっちゃった。」

「いつも冷静で落ち着いた裕香をここまで緊張させるとは、さすが蓮様だわ。そのまま夜も一緒に過ごせば良かったのに。夜の蓮様って何か凄そうじゃない?って服を脱いだ蓮様を想像するだけで鼻血出そう。」

みんな言いたい放題だな。私は黙って話を聞きながら持っていくお茶を準備する。

「隣にいるだけで緊張するのに、夜って無理だから。私なんかに平国主任のお相手は務まらないわ。心臓がいくつあっても足りない。」

なるほど、裕香は緊張し過ぎたのが限界で早めにデートを切り上げたのか。でも主任になんて言おう。

「あはは、やっぱり身の丈にあった彼氏見つけなきゃね。そういや蓮様、どこかの社長令嬢と結婚するとか噂なかった?」

「本人は否定してたけど、平国主任に合うのはやっぱり社長令嬢よね。」

裕香達は庶務課で配るお茶をお盆に乗せ給湯室を出る。私も1番最後に給湯室を出た。

!!?

「あれ?美織が居ない。おーい美織、庶務課戻るよー。」

私に声をかけて、みんなは先に庶務課に戻っていった。



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