溺愛なんてされるものじゃありません
主任×私×クリスマス
「もうすぐクリスマスだね〜。」

仕事の休憩中、庶務課女子メンバーで話をしていた。話題はクリスマスだ。

「どうする?今年も集まって飲む?」

去年は私も含め、彼氏のいないメンバーで飲みに行った。クリスマスなんて恋人同士が過ごすイベントじゃないぞーって言いながら盛り上がったっけ。

今年は蓮さんとクリスマス一緒に過ごせるかな。でも私に彼氏が出来た事は誰にも言ってないし、蓮さんにも口止めしている。まぁ言ったとしても、私と蓮さんが付き合っているなんて誰が信じるだろうか。

だからどうやって飲み会を断ろうか私は考えていた。

「私、パス。」

私が考え事をしていると、先に裕香が断ってきた。

「えー、裕香いつの間に彼氏出来たの?」

みんなが裕香に注目する。

「…私も今年はパスしようかな。」

私も流れに乗って小さな声で断った。

「美織も!?あっそうか。美織には高成さんがいるんだった。」

「違っ…高成さんは関係ないから。」

「はいはい。じゃあ今年は少人数でひっそりと飲みますよ。」

私の話は軽く流された。すると裕香がコソッと小さな声で話しかけてきた。

「例の気になってる人と上手くいったんだ。」

「まぁね。裕香こそいつの間に彼氏出来たの?」

「ふふ、ただの見栄よ。彼氏なんてまだいないわ。」

裕香はニッコリとしている。全く何で見栄なんて張るのか。

その夜、私は蓮さんの部屋で一緒に過ごしていた。

「赤崎、クリスマスは一緒に過ごせるか?」

「過ごせるけど、何で苗字呼びなの?」

私達は隣同士に座りながら話をする。

「いや、だって…なんか名前で呼ぶのって照れる。」

「自分は名前で呼んで欲しいって言ったのに?蓮さんはお酒を飲まないと名前で呼んでくれないんだ。」

私は膝を抱えながらチラッと蓮さんの方を見る。

「悪かった。ちゃんと名前で呼ぶから…美織。」

蓮さんは少し照れた表情で私の名前を呼ぶ。

「それでクリスマスはどうしようか?」

「せっかくだから外にイルミネーション見に行くか?」

「うん。」

蓮さんは私の肩を抱き寄せて二人の時間を過ごした

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