空に星が綺麗
「じゃあ、私はこれで」

スマートフォンを届けると言う目的も果たしたし、早く帰ろう。

そう思いながら玄関へ向かったら、星川くんがその後ろをついてきた。

「コンソメスープは保存が効くので大丈夫ですよ。

温めたらすぐに食べることができますし、飽きたらアレンジもできますから」

「いや、そうじゃなくて…」

星川くんは言いにくそうに、
「青空のことは会社には黙って欲しいんです」
と、話を切り出してきた。

「ソラちゃん?」

「“青空”と書いて“ソラ”と言います」

「あー」

ものすごい名前だな。

私も“空に美しい”と書いて“クミ”って言うんだけどね。

両親曰く、“晴れた日に生まれたから”って言うのが私の名前の由来らしい。

「業務に支障が出ていないようだったら何も言いません」

私は星川くんに言い返した。
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