過去にとらわれず素直になろうね?
昼休みに
「葵!」
「菜々子どうしたの?」
「流我先輩に聞いた、星弥先輩のこと」
「どうだった?」
「想像以上のことだったから、誰もいないとこで話そう」
「う、うん…」
学校の屋上に来た
「それで流我先輩はなんて言ってたの?」
「星弥先輩が中学2年生のときに、好きなひとができたんだって、それは初恋で、いままでたくさんふってきたけど初めて付き合いたいと思っていた人なんだって
でも、その子はすごく純粋で可愛くてモテるけど、左耳があまり聞こえなくて、それがコンプレックスで誰とも付き合わなかった
それでも、星弥先輩は付き合いたくて、少しずつ近づいて、中2の冬に告白して、『俺が守る』って言って相手がOKしたから付き合ったんだって
でも、その子は大きな音するところにいくと雑音のように耳に入っていくからって遊園地や大きなショッピングモールには行けないから、デートはお互いの家か公園とか静かなところだけだった
中3の秋に受験勉強でその子と星弥の家で勉強してて
その子が家に帰るときに夜遅かったけど家が近いからってその子1人で帰ったんだって
そしたら帰る途中に車に跳ねられてその子が死んじゃったんだって…」
「うそ…」
「そのことを知った星弥先輩はひたすら自分を責めてとにかく泣いて相手の親に土下座を何回もしたんだって、その子の親は星弥くんは悪くないって言って慰めたけど、星弥先輩は泣きまくってしばらくは笑顔もなくずっと上の空だった
でも受験期で進学しなければいけないからわざと家から遠く離れたところの今の高校に進学したんだって
近いところだと思い出してつらいからって…
でもいまも思い出してしまうらしい…」
こんなの辛くないわけない
いきなり好きなひとが消えるんだから
たくさん自分を責めてたくさん泣いただろう
わたしが想像できないくらい苦しんだだろう
今も苦しんでいるのだから…
そりゃ恋なんてしたくなくなる
星弥先輩にとってはあの女の子がずっと心にいるのかな…
まだその女の子が好きで忘れられなくて恋ができないのかな…
わたしは星弥先輩とは付き合えないだろうな
星弥先輩にこんなに深くて苦しい想いがあるとは思わなかった…
わたしが近づくなんておかしいよね…
もう「好き」という感情は忘れよう
「葵!」
「菜々子どうしたの?」
「流我先輩に聞いた、星弥先輩のこと」
「どうだった?」
「想像以上のことだったから、誰もいないとこで話そう」
「う、うん…」
学校の屋上に来た
「それで流我先輩はなんて言ってたの?」
「星弥先輩が中学2年生のときに、好きなひとができたんだって、それは初恋で、いままでたくさんふってきたけど初めて付き合いたいと思っていた人なんだって
でも、その子はすごく純粋で可愛くてモテるけど、左耳があまり聞こえなくて、それがコンプレックスで誰とも付き合わなかった
それでも、星弥先輩は付き合いたくて、少しずつ近づいて、中2の冬に告白して、『俺が守る』って言って相手がOKしたから付き合ったんだって
でも、その子は大きな音するところにいくと雑音のように耳に入っていくからって遊園地や大きなショッピングモールには行けないから、デートはお互いの家か公園とか静かなところだけだった
中3の秋に受験勉強でその子と星弥の家で勉強してて
その子が家に帰るときに夜遅かったけど家が近いからってその子1人で帰ったんだって
そしたら帰る途中に車に跳ねられてその子が死んじゃったんだって…」
「うそ…」
「そのことを知った星弥先輩はひたすら自分を責めてとにかく泣いて相手の親に土下座を何回もしたんだって、その子の親は星弥くんは悪くないって言って慰めたけど、星弥先輩は泣きまくってしばらくは笑顔もなくずっと上の空だった
でも受験期で進学しなければいけないからわざと家から遠く離れたところの今の高校に進学したんだって
近いところだと思い出してつらいからって…
でもいまも思い出してしまうらしい…」
こんなの辛くないわけない
いきなり好きなひとが消えるんだから
たくさん自分を責めてたくさん泣いただろう
わたしが想像できないくらい苦しんだだろう
今も苦しんでいるのだから…
そりゃ恋なんてしたくなくなる
星弥先輩にとってはあの女の子がずっと心にいるのかな…
まだその女の子が好きで忘れられなくて恋ができないのかな…
わたしは星弥先輩とは付き合えないだろうな
星弥先輩にこんなに深くて苦しい想いがあるとは思わなかった…
わたしが近づくなんておかしいよね…
もう「好き」という感情は忘れよう