神様がくれたプレゼント
「すげぇ……」

翔さんは、部屋から外の景色を見て、感動していた。


「だろ?」

慶大さんが得意げに笑った。

「……」

無言のまま、ずっと外を眺めている翔さん。

「気にしないで。大丈夫だから」

慶大さんが優しく小声で話しかけてくれた。

「アイツも色々と苦労したから」

「そうなんですか?」

「まぁ、アイツの仕事は色々あるから」

「私、ついてきてしまってすいませんでした」

「気にすることないよ。翔の意思でそうしたいと思ったんだから」

優しく笑ってくれる慶大さん。

「お2人で何話してるの?」

不貞腐れたように、こっちに近づいてくる。

「美桜さんが、不安がってたから大丈夫だよって言ってたの」

慶大さんは、そう言いながらキッチンの方へ向かった。

「ごめんね……」

翔さんが、心配そうに私の顔を見た。

「いっ、いえ……私も勝手についてきちゃって、すいませんでした。もう、大丈夫ですから……」

「無理しないで……」

私の手を握り、ソファーに座らせた。
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