神様がくれたプレゼント
新しい生活
愛し合った次の日。私は翔のマンションに帰った。翔はまだ仕事があり、そのまま残った。慶大さんは翔のマネージャーでデビューの頃から一緒で兄貴みたいな存在らしい。2人のやり取りは前から知ってたからよくわかる。帰るときに、「本当によかった」と言って優しく頭を撫でられた。それを見てた翔が「そこまでするなっ」て怒ってヤキモチを妬いていた。その2人の光景を見てて、微笑ましく思った。

翔が仕事の準備をしている途中、慶大さんに声をかけられた。

「美桜ちゃん、ありがとう」

「慶大さんにまで迷惑をかけてすいませんでした」

私は頭を下げた。

「美桜ちゃんがまた翔のところに戻ってきてホッとしてる。アイツ、美桜ちゃんがいなくなってから仕事に身が入らなくて…それだけ、美桜ちゃんの存在が翔を助けてくれてたんだなぁって改めて思った」

「私、何もしてないですよ。逆に迷惑をかけてるんじゃないかってそればかり気掛かりで……」

「これから、アイツ。Shoとして世間に正体を明かすことになったんだけど、今よりもっと美桜ちゃんにとって辛いことがあるかもしれない。Shoにとっても……。でもアイツを支えてあげて欲しい。俺も協力するからさっ」

「いいんですか?芸能界は恋愛とか禁止なんじゃないですか?それに翔はShoとして人気が凄いしカッコイイから今まで以上に人気が出ますよ?」

「でも、俺達の事務所は翔を1人の人間として見てる。だから翔には、幸せになってもらいたいし、私生活が充実してないと、良い曲は書けないから」

慶大さんが優しく微笑んだ。

「ありがとうございます」

私も微笑んだ。慶大さんがマネージャーでよかったと心から思った。
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