ずっとキミしか見えてない

あなたの夢が私の夢

 体育祭は二日間かけて行われる。

 一日目は球技大会、二日目はリレーや徒競走、玉入れなど、運動会じみた競技でクラスごとに競うことになっている。

 体育祭一日目の午前中、自分の出番である女子バレーボールの試合まであと少しだっため、私は体育館にいた。

 ちょうど、うちのクラスの男子バスケットボールの試合が行われていた。

 光雅くんが味方のひとりからパスを受けて、ドリブルを始める。

 ディフェンスをする相手チームのメンバーを、ふたりもあっさりとかわすと、そのままレイアップシュートを華麗に決めた。

 確か今の相手は、二年一組だったはず。

 先輩相手にも関わらず、光雅くんの猛攻はとどまることを知らない。

 少し見ていただけだけど、彼がシュートを決めたのはもう四回目だ。


「きゃー! すごいー!」

「さっすが光雅くん!」


 バスケットコートの周りで、光雅くんに終始黄色い声を浴びしていた女子たちが、特に大きく叫んだ。

 その中には、高崎さんと中村さんの姿もある。

 この前光雅くんに睨まれて怒られたのに、彼に恋焦がれる気持ちは揺るがないらしい。
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