ずっとキミしか見えてない

告白なんて

 光雅くんがしっかりと教えてくれたおかげで、定期テストの数学はそれなりに手ごたえがあった。

 たぶん七割くらいは正解しているんじゃないかと思う。


「テスト、どうだった?」


 数学のテストが終わった直後、光雅くんが少し心配そうな顔をして尋ねてきた。

 私は満面の笑みを浮かべる。


「大丈夫だと思う! 光雅くんが教えてくれたところ、ちゃんとできたよ。ありがとうね」


 光雅くんはほっとしたような面持ちになった。


「俺は別にたいしたことしてないけど」

「えー。たいしたことしてるよー! 光雅くんの説明、すごく分かりやすかったもん!」

「いやいや。結局は紗良が頑張ったからだよ。本当によかったな」


 私の言葉に謙遜する光雅くん。

 教えてもらってなければ、もっと苦労していたのは確実だから、本当にあなたのおかげなんだけどなあ。

 そう言いたかったけど、さすがにしつこいような気もしたし、実際に自分も結構頑張ったので、素直に「うん!」と言っておいた。

 しかし数学は大丈夫そうなんだけれど、実はその前の時間の生物の出来があまりよくなさそうだった。
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