極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
 五百四十席ある食堂内は、あえて天井板を張らずに開放感を高めていて、景観の良い窓側にカウンター席が配置されており、そこは人気席で毎日すぐに埋まってしまうほど。

 営業時間は十一時半から十三時半。常に満席状態で提供している料理の評判も上々。

 主食、主菜、副菜、汁物、デザートをそれぞれ常時、三十種類用意し、自由に選択できる。
 季節のものを取り入れ、イベントを意識したメニューもあるが、半数は定番メニューで固めている。

 八時に出勤し、まずは納品された食材の検品を行なう。八時半になると調理員が出勤してきて、ミーティング後、さっそく調理開始。
 ある程度仕上がってきたら料理のチェックをして、検食に入る。

 検食とは、実際に食べて確認し、集団食の場合は集団食中毒を予防するために必ず行われているもの。

 また、実際に食中毒が発生した際に原因を追及するため、一定期間の冷凍保存もしている。

 それらを終えてから料理提供の準備を進め、十一時半になり昼休みに入ると社員が一斉に詰めかけてくるのだ。

 営業中の二時間は鬼のように忙しい。私は食堂内に出て料理の減り具合をチェックし、足りなくなりそうなメニューを調理員に伝えて、出来上がった料理を配膳。
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