極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
 ドキッとするようなことを言うと、さくらちゃんは早口で捲し立てた。

「そ、それにお店の件もすみません。村瀬さんが出張中に色々ありまして……。閉店することを伝えられませんでした。出張から戻ったらすぐ店に来てくれると言っていたのに、本当にごめんなさい。……私は村瀬さんがこんな大企業の後継者だって知っていたから、もうこのまま会わないほうがいいのかもしれないって思って……」

 言葉を詰まらせると、ギュッと瞼を閉じて俯くさくらちゃん。

「ごめん、俺も同じだったんだ」

 こんな話を聞かされて、黙ってなどいられない。

「えっ……同じって……?」

 ゆっくりと顔を上げ、震える声で聞く彼女に無我夢中で伝えていく。

「さくらちゃんには、ひとりの人間として見てほしかったんだ。……本当の自分を明かすことで、今までのように接してくれなくなるのが怖くて、なかなか言えなかった。……でも出張から戻った後に約束していたデートで、すべて打ち明け、そして本当の俺をもっと知ってほしいと思っていた。そして、さくらちゃんのことをもっと知りたいとも……」

「村瀬さん……」
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