A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察
先生は左肘を杏の近くの机に乗せ、
ほお杖をついた。
そのせいで、先生と杏との距離が
急にグッと近くなる。
何も言わず静かに
ずっとこっちを見ている先生。
(そんな見つめられると恥ずかしいよ…)
まるで目の前の獲物を逃さないかのように、ずっと目を逸そうとしない。
ようやく話し始めた先生の声は、
ちょっと低くて、落ち着いていた。
「他の誰にも弱さ見せなくていいから、俺にだけ教えて」