シンデレラには····程遠い

車を走らせて
絢斗さんは、ビルの地下へと入って行く
「絢斗さん?」
と、不思議に思い訊ねると
「ん?ああ、地下が駐車場に
なっているんだ。」
と、言われてる間に車は
駐車場に止まり
絢斗さんは、荷物を下ろして
私をおろしてくれて
私の手を取り繋いで
エレベーターへと進む。

一階で降りると·····ふわふわの絨毯で
驚いていると
「お帰りなさいませ、藤堂様。」
の声···
「ああ。山田さん。
こちらは、菅野です。
今後、私の部屋へ出入りしますから
お願いします。」
と、言う絢斗さんに
「畏まりました。菅野様ですね。
わたくし、コンシェルジュの
山田と申します。
宜しくお願い致します。」
と、言われて
「はっ、はい。
宜しくお願い致します。」
と、言って頭を下げると
山田さんは、優しげに笑いながら
絢斗さんから荷物を預かり
エレベーターに進み
エレベーターのボタンを押す
絢斗さんが、
「荷物は私が。」
と、言うと
「畏まりました。
ご用がありましたら、連絡下さい。」
と、言って
頭を下げた。

エレベーターのドアがしまり
ホッとしていると
絢斗さんは、クスクス笑っていて
「もう、びっくりしました。
やはり、絢斗さんは、社長さん
なんですね。」
と、言うと
「社長には、間違いないが
鈴香の前では、普通の男だ。」
と、言っている間に
降りる階に着いたらしい

うそっ、最上階。

ええっ~と、思っていると
最上階は、三つの扉があり
一番大きな扉が絢斗さんの部屋で
後の二つは、快斗さんと潤さんの
部屋らしい。

中に入ると····

それにしても、すご~い
絢斗さんの家?は
いったい、何部屋?
キョロキョロしていると
手を取られてリビングダイニングに
連れて行かれ
カーテンが自動?と思っていると
「······わぁ~····すご~い·····」
カーテンの先には、きれいな夜景
朝は、朝の景色
昼は、昼の景色があるそうだ。

見とれていると
後から抱き締められ
「俺より、夜景か?妬けるな。」
と、言われて
「なっ·····」
「クスクスっ、鈴香の反応は
いつも、可愛いな。」
「もぅ。また、子ども扱いする。
そりゃ、絢斗さんよりずっと年下ですけど。」
「子ども扱いはしてないぞ。
可愛いから、可愛いと言っただけだ。
では、俺を見てくれ。」
と、言われて
体を反転させられて
キスをされた。

今日のキスは、中々離して貰えず
息が苦しくなり空気をもとめると
ぬるりとした物が口の中に入って来て
顔が引くと、後頭部を抑えられて
「·····んんっ·····」
自分の声でないような
恥ずかしくなり
絢斗さんの背中をトントンすると
やっと離されて
「はっ、はっ」
息を整えると·····

絢斗さんは、また、クスクス笑いながら
「鼻で息をしろ」
と、言った。
「もう····っ··はぁっ···はっ···
    ····手加減して····ください···」
と、言うと
「鼻で息をしろ。」
再びキスをされる。

今度はゆっくりと·····

それでも苦しくなり
またまた、トントンすると
「また、練習しような」
と、言われた時には、
足が、ガクンとなり
絢斗さんに抱き上げられて
部屋の案内をされた

トイレやお風呂、サニタリー室
絢斗さんの書斎
ゲストルームが二つ
リビングは、20畳位
ダイニングも20畳
一角にカンターがあり
アルコール類がいっぱい
キッチンも広く
冷蔵庫も家の三倍位の大きさ
なにもかもが、大きい
テレビも大きくて
まるで、小さい映画館。

全てにびっくりしていると
絢斗さんのクローゼットと
最後に寝室へ

寝室には、何人寝るの?と
思うほど大きなベッドが
部屋を占めていた。
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