死神列車は、記憶ゆき




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《死神列車ご乗車の際の注意事項》

1.駅から降りたら、必ず車掌に指定された場所に向かってください。
場所が分からないようであれば、車掌に遠慮なくおっしゃってください。地図をお渡しします。

2.駅を降りると、見た目や服装は当時と全く同じものになります。
つまり、当時と違うのは自分の中身だけ、ということです。

3.駅に到着した時はまだ現実世界と同じように外は暗いままですが、駅の改札の向こう側は、当時の通りの時刻になっています。
(例えば、朝や日中のシーンに戻るのであれば、改札の向こう側は明るいです)

4.人物とのやり取り中の台詞や、自分の行動は、当時と全く同じものでなくても構いません。

5.上記④の補足ですが、未来を変えるような大きなことは禁止されています。
返す台詞などは当時と違ってもいいですが、大幅に未来を変え得るような行為をしようとしたら、身体が一時的に動かなくなります。
(例えば、多いのが、対象の人物を特定の場所に行かせないように引き留めようとする、など。その場合、身体が無意識に制御されます。過去はあくまで過去。今の未来が変わらぬよう、現実的に動くようになっています)

6.自分の過去の記憶の出来事が全て終わり、対象人物と別れた後は、最寄り駅へお越し下さい。
再び、死神列車がお迎えに参ります。


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