ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
Reina's eye ケース11:再出発の誓い


【Reina's eye ケース11:再出発の誓い】



『もしもし、真里?』

「あーー真里だよ!もしかして陣痛きた?!」

『まだ、きてないよ!アハハハ!』


真里の突然の陣痛発言に私は思わず笑ってしまう。


「あれ?今、”次は終点東京です” って聴こえたけど・・・東京って・・・アンタ、今何処にいるの?」

『新幹線の中だよ。』

「はぁぁ?!」

電話の向こう側の真里の声は珍しく裏返っていた。



『新幹線だよ・・・新幹線!もうすぐ東京に着くところ!』

私は真里に心配をかけまいと威勢よくそう答えた。


日詠先生に東京の病院への転院を勧められてから
彼に ”自分は赤ちゃんを取り上げることができない” と言われてから

そして、彼に ”自分は君の兄” と言われてから
4日後・・・


私は妊娠9ヶ月の重くなったお腹をさすりつつ
東京へ向かう新幹線の中のデッキから真里に電話をかけていた。
真里と約束を交わしていたから。

嬉しいコト
哀しいコト
楽しいコト
迷っているコト

何でも言い合うっていう約束を・・・



「伶菜、アンタ、もうすぐ子供産まれるっていうのに東京へお出かけなんて・・・本当に大丈夫?」

真里は半ば呆れた声で私に問いかけてくる。


『うん、まあね。・・・真里、実はね・・・ついこの間、お腹の中の赤ちゃんの心臓・・・・心臓に異常があるから、だから・・・・東京の病院に転院するように、、、言われたの・・・・』

真里にちゃんと説明しなきゃと思っているは自然と声が上ずってしまう。


「赤ちゃんの心臓?!・・・伶菜、伶菜?泣いてる・・・・の?」

そう言う彼女も泣いてしまいそうな声だった。



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