ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋

ずっと捜していて、でも全く見つからなかった彼女

もしかして彼女に似ている人物かもしれない
もう随分会っていなかったんだ
その可能性だってある

でも、目の前にいる彼女のその目鼻立ちは
俺の記憶に鮮明の残る彼女の母親に瓜二つ
こんな偶然な出来事に、ふわふわと地に足が着かなくなりそうな自分がいる

とりあえず今は彼女を助けることが先だと自分に言い聞かせ、救急車の手配を依頼しながら、彼女の身体の状況を把握することに集中することにした。


そんな中見つけた。
彼女の左手首に貼り付けられている絆創膏の下に刻まれていた、まだ赤味の残るリストカットらしき傷跡。


彼女をここまで追い詰めたモノは
いったいなんだったんだろう?
なんで俺はもっと早く彼女を
この手で見つけ出してやれなかったんだろう?


ココロもカラダも
こんなにも傷付く前に
もっと早くに・・・・・

冷静でいなくては・・・と到着した救急隊員に彼女の状況を伝えながらも、自分の心の中は大きく揺れていた。



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