ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
Reina's eye ケース26:妹にあまい兄
【Reina's eye ケース26:妹にあまい兄】
荷物が一切なくなっていた私の自宅マンション。
それを見て、ここではもう住めないと覚悟を決めた私は祐希とともに日詠先生のクルマに再び乗り込み、彼の自宅へ向かった。
まだドキドキが止まらない
先生の胸、あったかかったな
いつまでどこまで続くんだろう
このドキドキ感
勿論、先生の傍にいたい
でも
今から一緒に生活していくのに彼と何を話して、何を感じていけばいいのか
全然、わからないよ
「ウチに着いた。祐希はどうしてる?」
クルマは先生のマンションがあるという笠寺の街中に入って行き、10階建てくらいのマンションらしき建物の前で停まった。
助手席のヘッドレストに左手をかけて、自分の方を向いた日詠先生と目が合う。
心臓がまた大きく動く。
ドキリと大きな音を立てて。
『ね、寝てます・・・』
「じゃ、そっと抱っこして車から降ろそうか。」
『は、ハイ!!!!!』
とうとう着いてしまった、”俺ん家” に
ドキドキな上に返事もカミカミしちゃって
もう今にも意識が飛んじゃいそう
「伶菜?大丈夫か?目の焦点が定まってないみたいだけど・・ダメそうなら祐希をベッドに寝かせてきてから、キミも部屋まで運ぶけど・・・」
そう言いながら私の顔に近づいてくる日詠先生の顔
うわぁ、アタシ、本当にかなりヤバイ
「祐希は、昼間はココで過ごせばいいかな?夜は・・・俺が勤務明けで夜中帰ってきてリビングでバタバタするとゆっくり眠れないだろうからこっちの部屋を使えばいいかと思って。」
そう言いながら日詠先生は祐希を抱っこしたままリビングから廊下へ移動し、またまた手招きをしていた。