ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋



「ふ~ん。妹ね?アナタ、本当に妹なの?」


本当に妹なの?って疑ってるの?

私は日詠先生本人から”妹だ”って聞いてるし
私達が兄妹として一緒に暮らしていた過去の話も聞いてるし
お父さんの形見である手作りの空色のジグソーパズルを彼も私もちゃんと持ってた

だから目の前にいるあまりにも失礼な態度である彼女の揺さぶりに、これ以上ビクビクする必要なんてない!



『妹です!!彼の!!』

さっきまでとは打って変わって、私は毅然とした態度でそう返事をする。


「ふーーん。妹ね・・彼の口から妹がいるなんて聞いたことないけど。」

態度を一変させた私を見かけても、彼女は驚く様子さえも一切見せず、相変わらず意地悪の笑みを浮かべながら私に語りかける。


彼の口から妹がいるなんて聞いたことがないなんて
この人、日詠先生とどんな関係なの?

単なる病院の同僚?
先輩医師?
それとも
・・恋人・・?


「妹ね、じゃあ、いいんだ♪」

『何が・・・何がいいんですか?!』


自分をからかうように軽い口調でそう問いかけた彼女に対し、なんとか怒りを押し殺してきた私の堪忍の尾がとうとう切れた。

そんな私も見た彼女は勢い良く笑い始め、そんな彼女を見た私はその変貌ぶりに再び唖然とする
しかなかった。

そして、暫くして彼女は笑うのを止めて軽く顎を引き上げ、冷たくそして怒りに満ちた視線を私に向けながら口を開いた。


「・・妹だからって」

『えっ?』

「妹だからってね、、子供連れで彼の所にいつまでも居座らないでくれる?」

『・・・・?』

「アナタがいると、日詠クンも、私も・・・いつまでたっても幸せを掴むことができないのよ。」




こうやって私は初めて日詠先生の恋人らしき人に出逢ってしまった。

いつかはこういう時が来るってわかっていた
この前、祐希の定期健診で受診した日に私が感じていた胸騒ぎ
それがこうやって姿を現すなんて

私はいったいどうしたらいいんだろう・・・・・?



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