いちばん星の独占権





なるちかくんが去っていった保健室、取り残されたわたしはひとりきり。




「……っ」




今のは、なんだったの。



落ちつかないままに、なるちかくんがくれたホットケーキ味のジュースに口をつけていたら、いつのまにか空になっていた。



ふー、と息をついて、ふと机の上に視線をやって、気づく。



あれ、このプリント、って。

さっきなるちかくんが持って行ってくれたはずの────。




「わ、どうしよう」




なるちかくんが持って行ってくれた束のなかにあるはずの、プリントが十数枚ほど置きざりになっていた。


慌てて出ていってしまったから、忘れちゃったんだと思う。



時計をちらりと確認すると、昼休みが終わるまでにはまだ時間がある。職員室まで行っても、十分間に合うはず。



それなら……。
よし、追いかけよう。





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