一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
突然、彼の名前が上がってドキッとしてしまう。
「なんでそれを先輩がご存知で、、?」
「だってみんなそう言ってたから。あそこまで健気に想いを寄せてる姿をみたら応援してあげたくなっちゃうでしょ?相手は柏木ちゃんだし。元から柏木ちゃんって男女共に一目置かれてたから、あれだけ人気のある片瀬くんに好意を寄せられても柏木ちゃんの事をそこまで悪く言う子も少ないしね〜。トラブル事件で更に2人の株は急上昇だし。このまま付き合っちゃいなよ〜。会社公認のビックカップルでいいじゃない。」
「そうだそうだ〜!先輩の言う通り、往生際が悪いぞ紗江!早く流されて付き合っちゃいなよ。」
「そう!あんなハイスペックな彼からアプローチ受けてるんだからさっさとOKしたらいいのよ〜。」
いつのまにか出勤していた真由ちゃんも気づけば会話に参加していて、先輩の言葉にウンウンと大きく頷いている。
「でも、、明確なモノがないのに付き合うなんて片瀬くんに失礼だと思うし、、、。」
「出たーっ!本当そういう所、固い!!固すぎるよ!!!紗江の悪い所だよ〜?」
「そ、そうかな、、。」
少し落ち込みながらそう答えるとフワッと誰かに頭を撫でられ、優しい柔らかい声が耳に響いた。