一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


「あ、真由ちゃんだ!おはよー。」

『おはようございます、川田さん。』






朝2人で出勤していると、目の前に真由ちゃんの姿が見えて声を掛けた。

するとそれに気づいた真由ちゃんが立ち止まり振り返る。








「あら。お2人さんおはよ!お揃いで出勤だなんて、、もう夫婦みたいね?」

『昨日はうちに泊まりだったので一緒に。そういえば、ずっと気になっていたのですが、少し目が赤いです。もしかして昨日眠れませんでしたか?』







3人並んで会社でロビーを通り抜ける所で心配そうな表情で私の顔を覗き込んで来た彼。





「ううん、大丈夫だよ。花粉症かな?」

『そうなんですか?では今週の土曜に花粉症に効く目薬を貰いに眼科に行きましょう。』

「そんな大袈裟だよ!ドラックストアので充分。」

『紗江さんが食べたいと言っていたパンケーキのお店、あったでしょう?下調べした時にその店の近くに眼科があったんです。丁度いいでしょう?だから行きましょう。』

「本当?!確かに、、それなら一石二鳥だね。」

『決まりですね。では週末は眼科とパンケーキで。今日は少し早めの案件があるので先に行きます。また終業後に。』

「うん。外回り頑張ってね。」











そんな彼と私のやり取りを無言で聞いていた真由ちゃんが先に部署へと向かっていく彼の後ろ姿を見て、深い溜息を漏らす。

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