一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


前のめりになっている真由ちゃんを今度は私が引っ張って庶務課へと戻ろうと促す。








「え〜〜!?目の保養がぁぁ〜〜!!!少しくらいいいじゃんかぁ!紗江の馬鹿ぁ!!!!」


突然大声を上げながら可愛く泣き真似をする真由ちゃんの声に反応した話題の彼がこちらを振り返った。











すると目を見開いた彼は急に立ち上がり、こちらへと真っ直ぐに向かってくる。


トイレにでも行くのかと思い、入り口から素早く離れたが私が避けた方へと方向を変え歩いてくる彼。













そして私の目の前で止まった。





無表情でじっとこちらを見つめる彼だったが、目が合うと途端にやさしい笑顔を見せる。

後ろを振り返ってみるが、私以外には誰もいない。




先程とはあまりにも違いすぎる彼の表情の変化に周りの人達が騒めく。











「っ、、ちょっと!!このイケメン君、紗江の知り合い!?!?」



隣の真由ちゃんから背中を叩かれ、我に返ったが見覚えがない。






「真由ちゃんの知り合いじゃない?私は多分知らない人かな。」


そう言って長身の私でも見上げるほどの彼の方をチラリと見ると困ったように眉を下げた彼。
< 26 / 456 >

この作品をシェア

pagetop