桜の咲く頃……… 君を想う
「何を呑気なこと言ってるの!!!!
メールに書いたでしょ!!
数合わせに仕方なく行くの!!
桜は出逢いなんて求めてないんだよ!!
分かってる?!
年上ずらして、分かった風にしないで!!
今日行くメンバーは、大人しい桜を利用してるんだから!
先生が電話して『好きだから行くな!』くらい言ってよ!!!」

半泣きで訴えられ、戸惑っていたら………

6人の内の一人で、玲奈ちゃんに告白して『ボーイフレンドなら。』と

言われた後藤君が、電話を替わった。

「お久しぶりです、亨さん。
玲奈が、興奮してすみません。」

二人一緒にいることも驚いたけど……

後藤君が玲奈ちゃんの事を『玲奈』と呼んでいることに

もっと驚いた。

だって、あの時玲奈ちゃんには小学生のフィアンセがいた。

普通の感覚だとあり得ないけど

ウチの学校では、珍しいことではなかった。

だから、恋をセーブしてボーイフレンドにした玲奈ちゃんの気持ちも

何となく理解していたんだけど。

どうやら、あのまま二人はつき合っていたようだ。
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