桜の咲く頃……… 君を想う
あの、高校生だった彼女達も短大を卒業して社会人になった。

夏苗ちゃんは、春人から離れ一人暮らしをしながら

幼稚園の先生になった。

婚約してる安心感からか

『好きなことを、頑張ってやっておいで。』と

笑顔で背中を押していた。

2年間ほぼ会わない生活を送っている。

後藤君達は、夫婦仲良く実家を手伝い

看護師を辞めてサラリーマンになった彼を支えている。

いずれは、義父さんの会社を継がないといけないらしく

猛勉強中みたいだ。

夢を追う夏苗ちゃんに…………

夢を諦めて、彼女と生きる道を選んだ後藤君。

木下さんは……………

俺の影響からか、絵本に興味を持ったみたいで。

短大でも、国文科で児童文学を専攻し

そのまま、出版社に就職を決めたみたいだ。

いつか、俺の書いた絵本を………

彼女が扱ってくれることがあればと。

バカな妄想をしてみる。

それからまた月日は過ぎて…………

彼女達も22才になった。

流石にもう、教え子としてのやましさはないが…………

これ程接点のない俺の事を、覚えてくれてるとも思えず

本気で諦めようと思っていたら………。

春人から久しぶりに飲みに行こうと連絡が入った。
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